8.ドメインの基礎知識
「ドメイン」というのは、店の看板や家の表札に相当します。
インターネットの住所であるIPアドレスは、「123.123.123.123」のように、4つの数を並べた形で表記されます。
しかし、これは人が覚えたり、人に伝えたりするには向いていません。
そこでインターネットの黎明期に、「jitakuserver.net」というように、もう少し人が覚えたり教えあったりしやすいような住所が考え出されました。これがドメインと呼ばれるものです。今でもインターネットにつながった機器はIPアドレスで相手を指定して通信しているのですが、人間はわかりやすいドメインを使い、コンピュータは自動的にそれをIPアドレスに変換して使う、という形になったのです。
ドメインの基本形は、「jitakuserver.net」というように、「○○○○.×××」という形になっています。
ピリオドより後ろの「×××」部分は、ネットワークの目的を表す「net(ネットワーク)」「com(カンパニー)」「biz(ビジネス)」ものや「jp(日本)」「cn(中国)」「uk(イギリス)」など国を表すものが使われます。こうした国名や種別の表記は国際的な取り決めになっているので、自由には付けられません。
それに対して、ピリオドより前の「○○○○」部分は、自分で考えて、覚えやすい名前を付けることができます。
ただし、ドメインもIPアドレスと同様に住所として使うものですから、世界中で唯一無二の名前でなくてはいけません。
こうした名前は登録制になっていて、他の人が先にその名前の登録を行っていたら、その名前は付けることができません。
基本的に早い者勝ちなのです。
ここで重要なのは、「ドメインを登録する」ということです。登録が必要なのは、名前が重複しないようにするだけではありません。
インターネットの通信機器はIPアドレスで通信しているので、登録の際には、
名前(ドメイン) - 住所(IPアドレス)
という組み合わせで登録をする必要があります。通信機器はこの登録情報を参照して、人間用のドメイン名から 機械用の
IPアドレスに変換して利用するわけです。このような住所録を保管しておく場所を、「DNSサーバー(住所録保管所)」といいます。
こうした仕組みなので、IPアドレスを固定契約にせず、接続のたびに変化するような通常契約にしてあると、
「名前-住所」登録を接続のたびに変更する必要があります。技術的には不可能ではありませんが、効率はよくありません。
「サーバー=固定IPアドレス」というのは、こうした意味もあるのです。