1.そうだ! ブログをやってみよう
前章までで、自宅サーバー内に展示室(ホームページサーバー)を公開することはできました。
さて、できあがった展示室(ホームページサーバー)には、何を陳列したらいいのでしょうか?
展示室ばかりが立派でも、内容が伴わないと何にもなりません。
しかし、展示室(ホームページサーバー)を作る前から、「私はこれを陳列しよう」などと決まっていて、
展示品(ホームページのファイル)の準備が整っている人はそんなに多くはないでしょう。
たとえば、普段見慣れているはずの色々なホームページも、いざ自分で作るとなると、結構大変な作業が
待ち構えています。
まったく知識がないのであれば、当然のように作り方を一から勉強しなければなりませんし、ホームページ製作用の
ソフトウェアも購入しなければなりません。
せっかく自宅サーバーに展示室(ホームページサーバー)を用意したのに、しばらくは「おめでとうございます!」画面を
眺めるだけということになってしまったら宝の持ち腐れです。
簡単に、しかも綺麗な展示品(ホームページのファイル)を作ってくれるような仕組みはないのでしょうか?
ちょっと待ってください。最近話題のブログ(ホームページ上の日記みたいなもの)はどうでしょう?
ブログの仕組みはとてもよくできていて、ただ文章を書くだけでそれを綺麗に成形して日記風の展示品(ホームページ)に
仕上げてくれます。
そこで本章では、ブログの仕組みを導入して日記を公開してみることにしましょう。
「ブログの仕組みを導入する」などというと、とても大変な作業が目の前に待ち構えているようですが、そんなに
身構えないでください。身近な例でたとえると、次のようになります。
1)アシスタントを雇う。
↓
2)アシスタントに書庫の鍵を渡す。
↓
3)書庫を作る。
↓
4)書庫に日記の原稿を入れる引き出しを作る。
↓
5)絵や写真を入れる額縁を作る。
↓
6)日記の展示ケースを作る。
↓
7)展示ケースに自分の日記を書く。
「アシスタント」や「書庫」や「引き出し」……、さて何のことでしょうか? 勘のよい人であれば、アシスタントが日記を書く仕事を助けてくれる頼もしい助っ人であり、書庫といえば文字通り日記を保管しておく入れ物で、引き出しは数ある日記を整理するための小さな入れ物かな、などと想像をめぐらしていることでしょう。
では、これを自宅サーバーに実際にブログシステムを導入する手順として考えて見ましょう。すると、次のようになりました。
1)プログラム言語perlをインストールする。
↓
2)プログラム言語perlに、データベースソフトのアクセスライブラリをインストールする。
↓
3)データベースソフトをインストールする。
↓
4)データベースソフトにブログの原稿を入れるデータベースを作る。
↓
5)イメージデータを入れるイメージライブラリをインストールする。
↓
6)ブログシステムをインストールする。
↓
7)ブログシステムを使って、ブログを書く。
このように表現すると、わかりにくい専門用語も出てきましたし、とても難しそうです。やることが多くて、完成までには
長い道のりだな~と思った方も少なくないでしょう。
しかし、言葉に惑わされてはいけません。本書を読んでいただければ、難解に感じた言葉も、やることがいっぱいあるんだなと感じた仕事量も、意外と言葉だけなんだ、実際の印象とはずいぶん違うんだなと思っていただけることでしょう。そうです。一つ一つはそう難しいものではありません。ゆっくり一歩一歩確実に歩いてみましょう。
では、ここまでを整理してみましょう。次のような言葉が出てきました。
・アシスタント‥‥‥‥ プログラム言語perl
・書庫‥‥‥‥‥‥‥‥ データベースソフト
・書庫の鍵‥‥‥‥‥‥ アクセスライブラリ
・額縁‥‥‥‥‥‥‥‥ イメージライブラリ
・日記‥‥‥‥‥‥‥‥ ブログ
・日記の展示ケース‥‥ ブログシステム
左側の言葉は、自宅サーバーにブログの仕組みを導入するということはどんなことかを皆さんに理解していただくために
使いました。
右側の言葉は、そのような言葉をコンピュータの世界で日常的に使われている言葉に置き換えたものです。
次項からは、実際に自宅サーバーにブログシステムを導入していくわけですが、2つの世界の言葉が混在してしまうと、
かえって文章が煩雑になってしまいますね。
読者の方々は、すでに自宅のパソコンにサーバーを導入することができたわけですから、コンピュータ世界の用語にも慣れたことと思います。難しいと感じた言葉も、単なる記号だと思って覚えてしまえばいいのです。
そこで、次項からはコンピュータの世界の言葉を使って話を進めていくことにしましょう。